妹ばかり見ている婚約者はもういりません
「そうだわ、ラウロ様! ラウロ様が選んで差し上げたらどうでしょう?」
「俺が?」
「ええ、きっと本人よりも第三者が選んだほうが客観的に判断できていいですわ! そうしましょう!」
エルダさんは両手を合わせて楽しそうに言う。私はすっかり戸惑ってしまった。
「そんな、ラウロ様に選んでいただくなんて……」
「ラウロ様がセンスのないドレスを選んだら、遠慮なく断ってくださっていいですから! さぁ、ラウロ様。どれがいいと思います?」
エルダさんはなんだかうきうきした様子で、ラウロ様をドレスの並べてある台の前に引っ張って行く。
腕を引っ張られたラウロ様は、眉根を寄せてエルダさんを見た。
「ジュスティーナ嬢が自分で選んだもののほうがいいんじゃないか?」
「いいではないですか。ジュスティーナ様にお好みのドレスを着てもらえるチャンスですわよ! ジュスティーナ様に着せたいドレスを選んじゃってください!」
「そう言われると大分選びにくいんだが」
ご機嫌な顔で言うエルダさんに、ラウロ様は苦い顔をする。
しかしドレスの前に立つと、真剣な顔で眺めていた。時折ドレスを手に取って私と見比べるように交互に眺めるので、なんだか落ち着かなくなってしまう。
しばらく迷っていた様子のラウロ様が、一枚のドレスを持ち上げた。
「これなんか似合うんじゃないだろうか」
ラウロ様が手に取ったのは、ビスチェタイプのライトグリーンのドレスだった。
胸元から裾にかけ、淡い色の花の刺繍がされている。スカートはレースでふんわりとふくらんでいた。とても可愛いドレスだけれど、私に似合うかと言われれば自信がない。
ドレスを躊躇いがちに受け取ると、ラウロ様は言う。
「ジュスティーナ嬢にぴったりだと思ったんだ。君は花のように愛らしくて、若草のように澄んだ空気を纏っているから」
微笑みながらそう言われ、心臓の音が早くなる。相変わらず褒め方がストレートでずるい。
けれど、ラウロ様が私のことをそんな風に思っていてくれていたのだと思うと、幸せな気持ちが胸に広がっていく。
「ジュスティーナ様、どうします? お嫌ならほかのものを選んでくださってもいいのですよ」
エルダさんはいたずらっぽく笑ってそう尋ねてきた。私は熱くなった頬を押さえながら首を横に振る。
「いえ、あの……このドレスにします。これがいいです」
私が答えると、エルダさんは「よかったですね、ラウロ様!」と明るい声で言った。
そっとラウロ様に視線を向けると、彼は少し困った顔で、でもどこか嬉しそうに笑っていた。
私はドレスをぎゅっと握りしめる。このドレスを着てラウロ様とパーティーに行けるのだと思うと心が浮き立った。
毎年参加しているダンスパーティーが、こんなに楽しみなのは初めてだった。
「俺が?」
「ええ、きっと本人よりも第三者が選んだほうが客観的に判断できていいですわ! そうしましょう!」
エルダさんは両手を合わせて楽しそうに言う。私はすっかり戸惑ってしまった。
「そんな、ラウロ様に選んでいただくなんて……」
「ラウロ様がセンスのないドレスを選んだら、遠慮なく断ってくださっていいですから! さぁ、ラウロ様。どれがいいと思います?」
エルダさんはなんだかうきうきした様子で、ラウロ様をドレスの並べてある台の前に引っ張って行く。
腕を引っ張られたラウロ様は、眉根を寄せてエルダさんを見た。
「ジュスティーナ嬢が自分で選んだもののほうがいいんじゃないか?」
「いいではないですか。ジュスティーナ様にお好みのドレスを着てもらえるチャンスですわよ! ジュスティーナ様に着せたいドレスを選んじゃってください!」
「そう言われると大分選びにくいんだが」
ご機嫌な顔で言うエルダさんに、ラウロ様は苦い顔をする。
しかしドレスの前に立つと、真剣な顔で眺めていた。時折ドレスを手に取って私と見比べるように交互に眺めるので、なんだか落ち着かなくなってしまう。
しばらく迷っていた様子のラウロ様が、一枚のドレスを持ち上げた。
「これなんか似合うんじゃないだろうか」
ラウロ様が手に取ったのは、ビスチェタイプのライトグリーンのドレスだった。
胸元から裾にかけ、淡い色の花の刺繍がされている。スカートはレースでふんわりとふくらんでいた。とても可愛いドレスだけれど、私に似合うかと言われれば自信がない。
ドレスを躊躇いがちに受け取ると、ラウロ様は言う。
「ジュスティーナ嬢にぴったりだと思ったんだ。君は花のように愛らしくて、若草のように澄んだ空気を纏っているから」
微笑みながらそう言われ、心臓の音が早くなる。相変わらず褒め方がストレートでずるい。
けれど、ラウロ様が私のことをそんな風に思っていてくれていたのだと思うと、幸せな気持ちが胸に広がっていく。
「ジュスティーナ様、どうします? お嫌ならほかのものを選んでくださってもいいのですよ」
エルダさんはいたずらっぽく笑ってそう尋ねてきた。私は熱くなった頬を押さえながら首を横に振る。
「いえ、あの……このドレスにします。これがいいです」
私が答えると、エルダさんは「よかったですね、ラウロ様!」と明るい声で言った。
そっとラウロ様に視線を向けると、彼は少し困った顔で、でもどこか嬉しそうに笑っていた。
私はドレスをぎゅっと握りしめる。このドレスを着てラウロ様とパーティーに行けるのだと思うと心が浮き立った。
毎年参加しているダンスパーティーが、こんなに楽しみなのは初めてだった。