君のためにこの詩(うた)を捧げる

第13話「君を信じる強さ」

「信じるって、待つことじゃない。
その人の“未来”を選ぶことなんだ。」



週刊誌の報道から、二週間。



学校も、街も、少しずつ日常を取り戻していた。


澪は変わらず登校し、
親友の七海とは、まだ少し距離を置いていた。


けれど――。


放課後の帰り道、七海がそっと声をかけてきた。


「ねえ、澪」



「……うん」


「ごめん。
あの人(湊)を送り込んだの、私なの」


澪は静かに息をのんだ。



やっぱり。わかっていた。



でも七海の顔は、もうどこか吹っ切れたように笑っていた。


「最初はね、ただの嫉妬だったの。
あんたばっかり、輝くんの“特別”で。
でも、湊が言ってたよ。澪は人のために泣ける子だって」


七海はポケットから、小さな封筒を差し出した。


「……彼、転校するんだって。
最後に、これを渡してほしいって」


澪が受け取ると、七海は泣きそうな笑顔で続けた。


「私ね、あんたのこと、ずっと羨ましかった。
でも今はちゃんと、応援できる。
だって、あんな顔の輝くん、見たことないもん」


澪は微笑んで、そっと七海の手を握った。


「ありがとう、七海」


その言葉が、春風に溶けて消えた。
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