君のためにこの詩(うた)を捧げる
夜。
校舎の屋上。
撮影の合間に輝が澪を呼び出した。
「来てくれてありがとう」
「ううん。こっちこそ、会いたかった」
沈みかけた夕日が、二人の影を長く伸ばす。
「これ、湊くんから預かったの」
輝が受け取った封筒の中には、短い手紙があった。
“あいつを泣かせたら、俺が許さない。
でも、幸せにできるなら――もう、奪いには行かない。
彼女を頼む。 湊”
輝は微笑み、静かに封筒を閉じた。
「……いい奴だな」
「うん」
風が頬を撫で、沈黙が落ちる。
その静けさの中で、輝が小さく息を吸った。
「澪。俺さ、ずっと怖かった。 この世界で誰かを本気で好きになること。 でも今は、やっと言える」
彼は一歩、近づいた。
「――好きだ」
その瞬間、 澪の世界が、音もなく輝いた。
「私も……ひかるが、好き」
小さく震える声でそう言ったとき、 輝がそっと、彼女の頬に触れた。
温度が、指先から伝わる。
目を閉じた瞬間、 唇が触れ合い、時間が止まった。
それは、静かなキスだった。
でも、すべての想いを語るような、 優しくて、確かなキスだった。
校舎の屋上。
撮影の合間に輝が澪を呼び出した。
「来てくれてありがとう」
「ううん。こっちこそ、会いたかった」
沈みかけた夕日が、二人の影を長く伸ばす。
「これ、湊くんから預かったの」
輝が受け取った封筒の中には、短い手紙があった。
“あいつを泣かせたら、俺が許さない。
でも、幸せにできるなら――もう、奪いには行かない。
彼女を頼む。 湊”
輝は微笑み、静かに封筒を閉じた。
「……いい奴だな」
「うん」
風が頬を撫で、沈黙が落ちる。
その静けさの中で、輝が小さく息を吸った。
「澪。俺さ、ずっと怖かった。 この世界で誰かを本気で好きになること。 でも今は、やっと言える」
彼は一歩、近づいた。
「――好きだ」
その瞬間、 澪の世界が、音もなく輝いた。
「私も……ひかるが、好き」
小さく震える声でそう言ったとき、 輝がそっと、彼女の頬に触れた。
温度が、指先から伝わる。
目を閉じた瞬間、 唇が触れ合い、時間が止まった。
それは、静かなキスだった。
でも、すべての想いを語るような、 優しくて、確かなキスだった。