金髪の妹が望んだ運命は黒髪の私に降り注いだ
だが、その穏やかな日々は妹シルビアが生まれたことで一変した。

産声をあげた瞬間、部屋の空気が変わったのを幼い私でも感じた。

シルビアは母譲りの、美しい金髪を持っていた。

「ああ、やっと本物の聖女が産まれた。」

母のその言葉は、まるで刃のように胸に刺さった。

両親は黒髪の私が聖女として扱われることを、どこかで疑っていたらしい。

私が花を咲かせても、光を宿しても、それは偶然だと自分たちに言い聞かせていたのだと知った。

そして生まれた、金髪の美しいシルビア。

両親の視線は一気に妹へ向かい、戸惑うほどに愛情が注がれていった。

私がどれだけ祈っても、どれだけ花を咲かせても、母の腕に抱かれるのはいつもシルビアだった。

それでも私は泣かなかった。

祖母がくれたあの温かい手を思い出しながら、自分にできる祈りを続けた。

いつかこの黒髪にも光が降り注ぐと信じたかったから。
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