さびしがりやの毒花
放って、沈黙。
10秒くらい経ったころ、顔が熱くなってきた。
わたし、なにを言ってるの??
吉崎先輩の質問に対し、1ミリも答えになっていない答え。
自分の言葉に大困惑。
そして羞恥が追いついてくる。
ほら、吉崎先輩もポカンとしてるじゃん。
「ご、ごめんなさいっ。聞かなかったことにしてください!ほんと、どうしちゃったんでしょーねぇ、わたしったら」
恥ずかしくて恥ずかしくて顔を覆った。
穴があったら入りたいわたしを見つめているであろう吉崎先輩は、くすりと小さく笑う。
「純は、おれにやさしくしてくれるの?」
顔を覆っていた手を、そっと剥がされる。
広がる視界には吉崎先輩。
毒々しい見た目とは裏腹に、ほほえみを浮かべる表情はあまりにも穏やかだった。
「やさしく、します……」
導かれるようにうなずくわたしに、また笑って
「うん。やさしくしてね」
先輩はポケットからおもむろになにかを取り出した。
流れるようにわたしの右手をすくうと、薬指にそれを差し込む。
シルバーのリング。
編み込み型の、太くてゴツイ、わたしの指なんかにまったく似合わないデザインのもの。
ブカブカだし、落ちそうだし。
先輩、こんな指輪持ってたんだ。