さびしがりやの毒花
「あげる」
「ええ!」
突然のプレゼントに戸惑ってしまう。
「おれにとって、手放したくないひとには、こうして印をつけてるんだ」
「しるし……ですか」
「うん。しるし」
ぞわぞわと、昨日と同じ粟立ちがおとずれる。
毒花の胞子がわたしに付着する
なんてひどい想像が、頭の中で流れていく。
「こんど、きちんとしたサイズのもの贈るよ。いまは仮ってことで、それ持っといて」
「いやいや、もらえませんよ……っ」
「贈らせてよ。おねがい。はじめてなんだ、純みたいなひと。関わるの、これきりだなんていやだ」
吉崎先輩が一歩近づいてくる。
「ぜったいに、離さない」
ゾクリ
背骨を伝う、得体の知れない戦慄。
ゆっくり、ゆっくりと、足が蔦に絡め取られていくような感覚に陥った。
まずい、逃げないと、まずい気がする。
毒花に──侵される
「ごめんなさい!」
リングを抜いて押し返し、その場から駆け出した。
「純」
小さなその声だけが鼓膜に追いついてきて、首を左右に激しく振る。
わたしは、吉崎先輩と一緒にいられない。


