離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

過去に須藤の実家で同居していた時は律の家族もいたし、未依は両親を亡くしたばかりだったのと受験生だったので意識する余裕もなかったけれど、今は違う。

夫婦の新居として用意されたマンションで、律とふたりきりでの生活なのだ。

その上、彼から『ずっと好きだった』と想いを打ち明けられている。同居初日には額にキスまでされてしまい、なかなか寝付けなかったのは記憶に新しい。

律と同居を始めて十日程。ようやくここでの生活に慣れてきたところだ。

忙しくしている彼を支えたくて、未依は自発的に家事を担っている。

律は『未依も働いているんだから、ハウスキーパーに任せればいい』と言ってくれるけれど、根っからの庶民の未依は、自分の居住スペースは自分で管理しないと落ち着かない。

幸い、マンション最寄りの駅ビルにはスーパーも入っているし、クリーニングはコンシェルジュデスクに電話ひとつでお願いできる。無理をしない範囲でという約束をさせられたものの、未依はほとんどの家事を任せてもらい、いつ律が帰宅してもいいように冷蔵庫に食事を準備していた。

『ひとり分作るよりもたくさん作った方がコスパがいいし、余ったら次の日に私が食べるから』

< 117 / 245 >

この作品をシェア

pagetop