離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

未依が口を尖らせると、律は驚いたように目を見張った。

「俺と夫婦に見られたいってことか?」

自宅で着替えている時に自問自答していたことと同じことを律から尋ねられ、未依は今更ながらに恥ずかしいことを言ってしまったと気付いた。

しかし律はその問いに対し、別の切り口で答えてくれる。

「釣り合ってるとかいないとか、そんなものは他人が勝手に言ってるだけだろう。周囲の声は正直どうでもいいし、大切なのは俺たちの気持ちだ。周りにどう見えるかよりも、未依が好きなものを着て隣で笑ってくれる方が俺は嬉しい」

病院では決して見せない表情が、未依への揺るぎない想いを如実に表している。蕩けてしまいそうなほどに甘い眼差しは、決して『妹』に向けるものではない。

彼は未依を女性として扱い、愛しいという感情を言葉と態度で示してくれる。それなのに、未依は周囲の『釣り合わない』という言葉に卑屈な思いを抱いていた。

律と結婚しているという噂は、すでに噂でなく事実として病院中に広がりつつある。

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