離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

律から尋ねられ、未依は深く考えずに頷いた。

本来なら今後について色々と話すべきところだけど、今は恥ずかしくてそれどころではない。

買い物の続きをしながら気持ちを落ち着かせられるのなら、その方が好都合だと考えていたのだけれど、その想定はガラガラと崩れ去ることになった。。

連れられてきたのは、『キング・オブ・ジュエラー』と称される宝飾店の日本旗艦店。

黒とゴールドを基調とした凛とした店構えは高級感に溢れ、入店を躊躇うほどの存在感を放っている。

「り、律くん……ここ?」
「あぁ。予約してあるから大丈夫」

なにが大丈夫かもわからないまま、未依は手を引かれてついていく。一階はブライダルフロア、二階にはコレクションジュエリーが展示されていて、未依と律が案内されたのは三階のVIP専用ルームだった。

『PRIVATE SALON』と書かれた扉の奥に入り、ふかふかのソファに腰をおろすと、すぐに香りのいい紅茶が運ばれてくる。

「ご準備して参りますので、少々お待ち下さい」

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