離婚するはずが、凄腕脳外科医の執着愛に囚われました

「はぁー、よかった。私ね、このまま未依ちゃんが律に愛想を尽かして離婚して、病院も辞めちゃうんじゃないかって心配してたのよ」

ぎくっと身体を強張らせる。

愛想を尽かしたとは違うけれど、ほんの一ヶ月前までは、まさに富美の言っていた通り離婚や転職を考えていたのだ。

ちらりと富美を見ると、なんでもお見通しだと言わんばかりに微笑んでいる。

「未依ちゃんが律のことを好きでいてくれたのは子供の頃から見ててわかっていたし、律もきっと無自覚なだけで昔からあなたを女の子として意識してた。でもあなたを引き取った時はまだ高校生だったから、さすがに間違いを起こさせるわけにはいかないと律に余計なことを言ってしまったの」

そう話し、富美は申し訳なさそうに眉を下げる。

「ごめんね。そのせいで、きっと色々と悩ませてしまったのよね」
「そんな、富美さんのせいじゃないよ!」

律に『両親から釘を刺された』と聞いた時には驚いたけれど、今はそれも当然だと思える。

未成年である高校生が引き取られた先で、その家の息子と『そういう関係』になってしまうだなんて外聞が悪すぎる。

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