君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
きらきら輝く瞳でこちらを見上げてくるのはやめてくれないか?
「三橋さんとかお友達と見に行けばいいじゃないですか」
「はっちゃん、熱が出たって」
小林さんはしょんぼりとした顔を見せた。

「季節外れのインフルだって」
・・・それは無理だなあ。

「弟を誘ったらもう友達と約束してるって」
ずううんと肩を落として見せた。

「毎年楽しみにしてたのに…」
・・・・・・。

「だから今年は一人で見に来たの」
え?
「え?一人で見るのか?」

「うん。だって誰もいないから」
いやいやいやいや。
流石に女子高生。夜に一人で花火を見るのはまずいだろう。

小林さんの姿はTシャツとショートパンツというラフなもの。
すらりと伸びた手足は室内競技らしく白く、綺麗な筋肉がついて引き締まっている。

目鼻立ちの綺麗な彼女一人、外で夜を過ごすには危険が多すぎるだろう?


「はあ・・・そんなに見たいの?」
「うん!見たい!」

小林さんは胸の前で掌を組んで祈りのポーズをして見せる。

「今日は諦めて他の日にしたら?」
「本当は私も諦めてたの。でも先生に会ったから!」

じわりじわりとこちらに近付いて来る。

「はぁ?」
「先生と一緒に見たいの!」

わくわくとキラキラが詰まった表情で俺のすぐ真下から顔を見上げてくる。

近過ぎる距離から離れるために数歩後ろに下がった。

「ね!先生!」
「お願い!」

一歩下がれば一歩近付いて来る。
はぁ…溜息を一つ吐く。

「近い」
と言って片手で頭を掴んで引きはがした。

「私、女子高生なんだよ。 
夜に一人で外にいたら悪い人に連れてかれちゃうかもしれないよ。
そしたら、先生後悔するよ」
「脅す気か?」

「お願いしますっ!」
「はぁ・・・しゃあねぇなぁ」

「え?いいの?」
めちゃくちゃ嬉しそうなかおしてるじゃねぇか。
フフッ。
「花火の絶景スポットに連れてってもらおうじゃないか」
「やったあ!!!」

うーん。
これはよろしくないのかもしれないな。
はしゃぐ小林さんを可愛いと思ってしまった。







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