君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
タクシーにぎゅうぎゅう詰めになって移動したでかい図体の俺たち4人は、お目当ての公園に着いた。


暗いな。

ゴールが一つ外に設置されたその公園はいつでも出入りができるが、小さな外灯がポツンポツンとついているだけで、薄暗かった。

「よっしゃ!やるぞーーー!」

薄暗さなんてなんのその!な友人が、スーツのズボンからワイシャツの裾を出し、袖を捲って準備万端に両手をあげながらコートに入った。
俺たちも思い思いにコートに入った。

そして、俺たちは見つめ合って無言になった。

「なあ、ボールは?」

「「「・・・・・・あははははははは!!!」」」


思い立ってここまでやって来たというのに、バスケットボールがなくては何もできない。

高校生の頃の俺たちは、いつだって誰かがボールを持っていた。


「ははははは!気づけよって感じだよなー」
「4人いれば誰かはボール持ってたけど、さすがに今サッと出せるやつはいないかー」

皆で腹を抱えて笑いつつも、もうあの頃とは違うのだと悲しさを覚えた。
そう思うのはきっと俺だけじゃない。


小林さんに惹かれたのはきっと今のこの思いと同じなのかもしれない。
・・・小林さんを見て・・・あの頃が、懐かしくなっただけだったのかもしれない。

あの日、試合会場の体育館で彼女を見て、きっと俺は高校時代の感情を覚えたのだろう。

もう戻ることのできない高校生活が、羨ましかったのかもしれない。
青春かあ。

彼女たちの日々はキラキラとしていて、俺には眩しくて・・・。
憧れたんだな、きっと。




俺たちは再び酒を飲むために公園を後にした。

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