君が大人になった時、もしまだ俺のことが好きだったなら・・・
1階のエントランスを映した画面に、小林の姿が見えた。

どうしたんだ?
何かあったのか?
通話ボタンを押そうとして指を止めた。


逢ってはいけない。


この前病院で会ったのを最後にすると決めただろう。

でも、何か俺に用事があるからここに来たんだ。

用事ってなんだ?

急用?

つーか、俺に急用ってなんだよ。

そんなもんないだろう?
俺はもう小林と距離をとると決めたんだ。
今更会ったところで、俺が小林にしてやれることなんて何にもないんだ。

画面に映る小林を見ながら、出るかどうか悩んでいると、カチャという音がして画面が暗くなった。


「これも運命」
小さく呟き、真っ暗になったインターフォンに背を向けた。


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