クリームソーダだけがおいしくなる魔法
「あはは」
はじけるように彼が笑った。ランプのあたたかい光を受けてますます明るく見えた。

半月に1度は必ず会う約束をしていた。
彼のご両親と。
ただ楽しいだけだったんだけど、実は花嫁修業させられてたのか。この時代に。21世紀なのに。洗脳じゃん。

「今度デートしよう」
彼がそう言ってほほ笑む。イタズラをたくらんでいるみたいなキュートな笑顔で。
「良いね。どこ行く?」
「区役所」
「プッ」

「本気だったのに」
ずっと幸せでいたいと願うなら、
ずっと同じ笑顔でいたいとふたりが願うなら、私たちは上手くいく。一生。サンバも踊れる。(例え話であって実際に踊るわけではないけれども)

「せめて東京大神宮って言って。恋愛の神様じゃない」
「神頼みはしない」
「どこまで真面目なのよ」
「君に言われたくないなぁ。
その香水、僕が去年のお誕生日にあげたのだよね。ずっと使ってるよね」
「ばれたか」
「もうないでしょ? 新しいの買いに行こうよ」
「区役所行くついでに?」
「プッ」

箸が転んでもおかしい10代に戻ったみたい。君のことを初めて意識した頃に。(君に彼女ができて寂しかった頃に)
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