この命のすべてで、君を想いたい

並ぶ二人

夕方が近づき、空が橙色の光を屋上に落とし始めていた。




胸の奥の重さはまだあるけれど、

夜ほど深く沈まず、

布団の重さが少し軽くなったように感じる。



抱きしめ合った夜の余韻が、まるで羽のように体に残っていた。


こんな時間があるんだ。

ほんの少しだけ、体が息をつける時間。




扉の向こうから空の声が聞こえる。
「雫、起きてたんだ」



声だけで胸がじんわりあたたかくなる。



目を開けると、空がベッドの端に立っていた。少し疲れた表情だけど、目は優しくて、私をじっと見つめている。



「……雫、なんか少し楽そうだね」




その言葉に、体より先に心がほっとした。
小さくうなずくと、空の表情がゆっくり緩む。



でも喜ぶより先に、慎重さを滲ませながら私の手をそっと包んだ。




「でも無理しなくていいよ。喋るのもしんどかったら言ってね」



空はいつもそう。私に無理をさせない。



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