花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 視力を奪われたときに、本当に自分の人生が終わってしまったと感じました。

 神様がいるとしたら何故わたくしをこのような目に遭わせるのでしょうか。

 最愛の双子の片割れを奪われ、叔母の一家に引き取られたと思ったらこんな目に……。

 酷いという言葉すら消え失せてしまいました。あんな事故で生き残れたこと自体が奇跡なのですから。

 あの事故……乗っていたバスがハイジャックに遭い、横転し、崖を落ちてしまい、多くの死傷者が出たバス事故。

 死にたいのなら勝手にひとりで死ねばいいのに。乗客を巻き込んだテロリストが憎い。何の関係もない他人だというのに。

 以来、宗教というものを憎むようになりました。生活を整えることに必死で。勿論それまでの生活とはまるで違った生活を送る必要がありましたの。

 両親は、生き残ったわたくしを見て涙を流し、一方で、神宮寺の家からは何の便りも来ないことに苛立ちを感じておりました。特に母は、自分が産んだ我が子があんな酷い事件に巻き込まれた被害者で生き残ったというのに、かけてやる言葉ひとつすらないのですか。
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