花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 益々、神宮寺家や、わたくしをこんな目に遭わせた池水の家を憎むようになりました。なぜならば、仮にわたくしが東京の神宮寺家にいたとしたら、こんな事件に巻き込まれることなどなかったはずですから。運命。そんな一言では片付けられないくらいに、わたくしの日常は一変しました。

 それでも、視覚障害を持ちながらも立派に、ビジネスパーソンとして大成し、神宮寺家を見返してやることが目標となりました。生きる目的を新たに授かった気分でしたわ。そうね。むしろ事故には感謝しておりますの。

 恋生はわたくしに同情し、京都にいるわたくしの病院まで駆けつけてくれましたの。そのときも、禅雨と名乗ったことにはすこし笑いましたわ。会うのは小学校の頃のあの合宿以来……それでも、わたくしの目はもう、恋生を見ることが出来なくなりました。あの麗しい顔。わたくしと生き写しの端正なる眼差しを二度と……見られなくなることに悲しみを覚えますが、そんなことで悲しんでいたらわたくしの人生はつまらないものになりますから。耐えるしかありませんの。
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