花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

あなたが支えてくれるから

「今夜は月が綺麗だね。……でも、きみのことは隠す」
「なんで」
「言わせるの? ……勿体ない」
「あなたって私の彼氏みたいな言い方するよね時々」
「それをこのタイミングで言うのは、……勿体ない。然るべきタイミングってのがあるんだよ」

 軽口を叩いてシャッとカーテンを閉める。
 薄闇が彼の存在価値を浮かび上がらせる。息を飲むほどに美しいこの男。
 白魚のような繊細な指先がなにを奏でるのか。期待してしまう自分がいる。

 ……馬鹿だな。
 そんな価値などない、女なのに。

「寝て。膝枕したげる」
「恋生の膝枕ってちょっと……固いんだよねー」
「まぁまぁ。そのうち病みつきになるよ」
「どうだろ」
 と言いつつ、彼の手ほどきに甘える。
 
 いつもと同じ、代わり映えのない、ワンルームのアパート。
 それが、恋生がいるだけで世界が光って見えるから不思議だ。
 味気ないねと言って彼は翌日には観葉植物を買ってきた。
 そのさらに翌日にはキッチンにカフェカーテンをセットした。

「かたちから入るのが肝心じゃないですか」
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