花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
「一部の大人は海におる理生ちゃんに気づいとってんけど、てっきり、泳いでおるもんかと思ったらしい。異変に気づいて動いたのはあんさんやさけ、あんさんは、理生ちゃんの命の恩人なげな。

 すまんかった。この通りや」

 アユちゃんによると、加納さんは、あのとき海におらず、合宿所で食事の準備をしていたらしい。

「いえ。とにかく……理生が無事でよかったです。その後も合宿は開かれているんですか?」

「海でバーベキューは危ないさけそれ以降はしておらんよ。申し訳ないのう」

「いえ……」どう言葉をかければいいのか分からない。心境は複雑だ。もし、大人たちが、しっかりと子どもたちを見張っていてくれてさえいれば、そんなことは起こらなかった。

 一方、あの状態に陥った私を甲斐甲斐しく世話をしてくれたのは恋生なのだ。決して責めることも詰問することもなく。許すことを、あなたが、教えてくれていたんだよ。

 いま思えば、私の、パートナーさんに対する態度も酷かった。もっと、相手を尊重して信用して……そこから始められたらよかったのに。自分の力を過信して驕って、正社員という立場にあまえて。
< 136 / 259 >

この作品をシェア

pagetop