花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 必死に手を伸ばして指先が触れて。あなたがあがいて、どうにか生きようともがき続けて、なんとかあなたを助けようと必死で。海岸に転がっていた浮き輪を持ってきてあなたへと投げた。

 掴んでからはあっという間で大人たちが引っ張ってくれてそれで……。

「盆を過ぎるとくらげが出て泳がれんようになるさけ、子どもたちは、海で遊ぶことはあっても泳ぐ子はおらんかってん。合宿の持参品リストに水着は入れておらんかったさけ。せやけど都会から来た子は分からんかってんろうなぁ。理生ちゃんが溺れたんも、水着やのうて普通の服着ておったさけ、重たかってんろうなぁ。そんでも、わたしらの不注意には変わらんけど」

 夏休みのほぼ終盤で海岸をパトロールするひともいなかったときの出来事だったらしい。
 
 濡れた頬を取り出したハンカチで押さえ、こみあげるものを抑えようとする。が、止まらない。

 恋生……。
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