花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

face the truth

 バスの中で考える。大学卒業ぶりに訪れる故郷。母の言う通りで道はでこぼこしており、かなり揺れる。
 
 バスターミナルに到着したとき、母の姿を見つけた。

 痩せて、弱ってしまって……。

 私が幼い頃は母は若かった。老いを見せつけられ愕然とする。

 身なりも、明らかに貧しいもので、それは、恋生との関係でセレブ気分に浸っていた私のこころに水を差した。自分の故郷がこんなで、親が貧しいだなんて、今更自覚などしたくなかったのに。

 バスから降りると遠慮がちに母が近づく。「花ちゃん。おかえりなさい」

「ただいま」

「お母さん歩きで来てん」と降りる乗客を気にしつつ母。「こっから歩いて十五分のところに住んでおるんよ。先にホテル行くけ?」

「うん。……荷物を置きたいから」

「そうけ」

 そして海岸近くにあるホテルへと向かう。かつて、この町は観光地だった。いつの間にか外国人も訪れるようになっていた。どこの観光地に行っても外国人がいると気づいたのはここ十年ほどか。
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