花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
「インナーでお悩みでしたらいまはカップ付きのキャミが豊富ですので。種類もたくさんございますよ」

 ふあー。鼻血が出そうー。

 通勤ってどうしても汗をかくし、インナー事情は深刻だ。グンゼのインナーが汗をかいてもさらさらでいいと聞いて買ってみたが使う機会がない。ことを思い出して自分が休職中だということもつい思い出してしまう。

 ええい。めそめそするな。せっかく、恋生が、花見町まで連れてきてくれて、しかも憧れのアパレルインフルエンサーのかたが接客してくださっているのだから。

「ファイト。おー」なんてげんこを握ると恋生が笑って真似をする。

「元気だ。元気がいい。ファイト、花。おー!」

 ……あれ、なんかこれ、聞き覚えあるような……気のせい。

 デジャブ。いまの、なんだっけ? 一瞬で視界が切り替わり、浮かびかけた残像が消え去ってしまう。泡のように。

 でもなー。傷病手当金は全額出るわけじゃないし、今後のことを考えると慎重になるべき――。

 顎を摘まんで考えていると恋生が私の肩を叩いた。

「あのさ。迷うなよ。俺はきみの彼氏なんだから」

< 26 / 39 >

この作品をシェア

pagetop