花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
「先ずは乾杯と行こうか」

 グラスを近づけて微笑みあう。ライトに照らされたあなたはいまなお美しい。神が気まぐれでこしらえた精巧な人形のよう。

「じゃあ、頂きます」

「いただきまーす」無邪気に手を合わせる恋生が可愛い。ぶんぶんと尻尾をする健気なわんこみたい。

 箸を伸ばし、切り分けると肉汁があふれた。「ふぉおぉ……!」

 透明な肉汁。ハンバーグ。さっきマキノさんが作ってくれた、ハンバーグのおろし醤油かけは、見るからに食欲をそそる……!

「はむ」とほおばる。すると……鮮烈なる旨味。暴力的なほどにこちらの煩悩を刺激する。肉肉肉。肉まみれで一ミリの余談も許さない。圧倒的肉汁。

 かむとほろり、と溶けてまた消えていく。それが惜しくてまた一口。「うんま……!」

 ああいけない。天下の神宮寺財閥の御曹司を前にうんま、だなんて。美味しい、とか、言い方があるでしょう。

「花は本当美味しそうに食べるから見ていて気持ちがいいよ」と微笑み返す。と気になって、「恋生は? 食べないの?」

「俺は、きみを見ているだけで胸がいっぱい」

「またまた。はい、あーん」
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