花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 幼稚園でお友達に言われた言葉が忘れられません。そのとき、はっとして、わたくしは、……自分が何者であるのかが、妙に、気になり始めました。

 父と母と妹たちは仲良く水のように馴染んでおりますのに、わたくしだけなにか、異国の血の混ざった人間でもおるかのような、違和感がつきまとっておりましたから。

 三歳の誕生日を迎えたときに、初めて、手紙を受け取りました。

『はじめまして。ぼくは きみにはあったことがないけれど きみにとってぼくは とくべつなひとだとおもう』

 三歳にしてはいやに達筆な文字でした。上質な紙に万年筆を走らせる、三歳の恋生を想像しようとしてもちっともうまくいきません。恋生といったら肝心なことはなにひとつ打ち明けず、本当のことを伏せて、わたくしに手紙を送り付けてきましたの。

 そこから、わたくしたちの秘密の交流が始まりました。運命に抗い、戦うための、反撃の狼煙をあげましたの。

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