花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

behave yourself

「綺麗な顔した男の子と女の子がおるな、ってのは印象に残っておって。これがそんときの絵なげ」

 アユちゃんが送ってくれた絵は、禅雨と理生の顔を描いている。服装、顔立ちに至るまで。

「芸能人みたいに綺麗な子がおるってたまげたげ」

「……と友人のひとりが申しておりまして。こちらがその画像です」

 じっと私のスマートフォンに表示されるアユちゃんの絵を見つめる恋乃の目の動きに注視するが、特に、焦りや怖れといったものは見当たらない。恋生と同じく経営者として頭角を現した人間は、日ごろの挙動からして違う。落ち着き払っていて、驚きや怒りを表出させることなどない。

「それに。あなたに実際に会って確信しました。あなたは恋生の双子の妹だと」

「何故、わたくしが禅雨を名乗った。その理由までは分かりますか?」

「あなたは神宮寺の子として、恋生と一緒に本当は育ちたかった。でもそれが出来なかった。だからあの合宿の場で……復讐をした。神宮寺恋生のアナグラムの名を名乗ることで、呪いの連鎖を断ち、恋生として一瞬でも生きたかった。……それが私の思う、答えです」

「拍手ね。どうやってわたくしの出生まで?」
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