花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 飛行機はプライベートジェットのようにとても小さくて、こんな小さな飛行機で? と不安になるレベル。なのに、いつも、飛行機のなかは帰省や外国人観光客でいっぱいで、通路も席も狭く、せせこましい思いをしたものだ。まぁ、――私が最後に帰省したのなんて、大学を卒業した年が最後だった。パンデミックが起こる前で、自由に行き来出来たあの頃。それを思うと、……もう少し、ちゃんと、帰ってやるべきだったなと思う。こうして新幹線に乗ってみると案外快適で、スムーズに畑中まで行けるし、後はここから三時間のバス移動が残るのみで。

 大切なものの本当の価値が分かるのは、いつも、失ってから。失ってみて初めて、私たちは、そのものの大切さが分かる。いつも……遅すぎる。

 実家よりも先に用件を済ませることを優先した。今回私は一旦は緑川まで行き、そこから、船で、海野小島《うみのこじま》へと移動する。
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