花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 長い旅路となる。目を瞑り、すこしでも休もうとは思うものの、緊張がいまだに抜けていない。初めて池水恋乃と出会った、いや、十五年ぶりに再会した高揚感がまだからだのなかに残っている。相変わらず美しかった。彼女が緑の帽子を被った五尻禅雨……。

 となると、私は、青い帽子を被った存国理生に恋をしていたはず。

 別に、今更、合宿の行われた海野小島に行ったとて、なにが分かるでもないのだが、とにかく、行ってみないことには始まらない。途中でアユちゃんにメールを打ち、例の合宿を主催したひとのうちのひとりが海野小島にいると聞き、早速会う約束を取り付けた。よし、これでなにか分かれば……。

 窓の外は暗い。暗いトンネルのなか。今頃あなたはなにをしているだろう。すました顔で、スーツ姿で仕事をしている?

 呑気な私の身分。不安定な立場。恋生とそんなに……一夜を共にしたとて、生涯の相手になりうるかなんて、未来のことは誰にも分からないというのに、私のこころは妙に浮き立っている。先を急ぐ、そんな感じ。

 ああ、こんなとき……無性にあなたに会いたい。

 会って、抱き締めて、いつものようにキスをして。
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