花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~
 行く前に買ったノートを開いてメモを残す。そのとき感じたなにかを、大切に取っておきたい。後から読み返して分かるように。

 一旦休職した私は、急な暇を持て余し、ジャーナリングへと行き着いた。自分の思っていることや、感じていることを、こころのままに書き連ねる。ペンを持って紙に書くと不思議と自分がデトックスされたみたいに気持ちがいい。瞑想のような作用があると思う。

 十月十日、昼。新幹線のなかにて。

 勝手に手がふるえるのを、研修時代の恋生を思い出しながら手首を握る。
 彼の気持ちが分かったかのような彼女面。いいのかな。まぁいいか。彼女なんだし。
 恋生と一緒に買った服は夏物で、上着を着ないと、この冷房の効いた室内ではすこし寒い。
 帰ったら秋物をたくさん買いたい。
 帰省は久しぶりだ。四年ぶりくらい?
 被災した故郷を見るのに恐怖を伴うが、現地で暮らしているひとは懸命に戦っている。
 私も、母と向き合いたい。
< 94 / 259 >

この作品をシェア

pagetop