響け!永遠のレガート
アントーニョが拳を熊に変え、オルハンに殴り掛かろうとする。このまま戦闘になれば事務所は間違いなく半壊はするだろう。レオンハルトはため息を吐き、杖をアントーニョとオルハンに向けた。

「アイレ!」

杖から放たれた魔法が二人に当たる。刹那、二人は引き離されていた。レオンハルトは二人を交互に見つめ、口を開く。

「二人とも落ち着くんだ。ここは仕事場であって闘技場じゃない」

「レオンハルトさんの言う通りですよ〜!お二人が壊したもの、直すの大変なんですからね!」

カナタが頰を膨らませる。アントーニョとオルハンは少し落ち着いたのか、謝罪の言葉をそれぞれ口にしながら自分のデスクに戻った。

(やれやれ。この場所はいつも通りだな)

レオンハルトは苦笑し、書類に目を通していく。すると彼の鼻腔に紅茶の香りが入り込んだ。顔を上げると、給湯室に行っていたリズとマーガレットが戻ってきている。その手には、紅茶の入ったカップとお茶菓子があった。
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