⁂👑☆『 天からの贈りもの』―― 新しい愛を見つけ、私たちを捨てて意気揚々と家を出ていった元夫が やり直したいと縋ってくるのですが──。今更そんな無茶振りを言って困らせないでください~
13.  ◇情熱的なんだね




「君に対しては何の不満も不足もない。 
  俺が、その……全部悪いんだ。

 俺の職場に彼女が入って来て、そんなに人手のある職場でもないから
当然内勤同士話したりする機会がたくさんあって、気が付いたら彼女に
惹かれてた。

 彼女は大山貴理といって、バツいちで男の子ふたりの母親なんだ。

 元夫が親権を握っててあっちが育ててる状況。
 彼女、いずれは子供たちを引き取りたいって言ってる。


 彼女の元夫はひどいDVする奴で、かなり苦労している(ひと)なんだ。

 子供も奴に取られてしまって、悲しい想いをしていてね。
 それに1人娘で年老いた両親もいて、いろいろと気苦労の耐えない人なんだ。
だから、支えてあげたいと思ってる」


 啓吾が彼女のことをたくさん私に教えてくれる。

 へぇ~、そんなの……っていう態度で聞いている私に
次から次へといろいろ教えてくれる。


『それって、同情をかうっていう戦法なの? 』 と聞いてみたら、
啓吾は何て答えるだろう。

……なんて想像しながら、口を挟まず夫にそのまま続けてしゃべらせた。


 最初のほうはちゃんと聞いていたけど、途中であほらしくなってきた。

 そのため、耳が夫の話を受け付けなくなって困ったけど、私は他ごとを
考えながらその場を(よう)よう凌いだ。 


  私が、聞きながら考えてたこと。

 その大山貴理とかっていう美女がブサいくな女性だったら?
 それでも支えてあげたいと思ったのかな? とか……。

 まぁ、不細工ではないにしてもただの中年女性だったら? 
 そんな不良物件横目で流してたんじゃなぁ~い? とか。


 ひとしきり話し終えた啓吾は、私に突然土下座した。

 あまりのことで、私は面食らう。
 
 すごいっじゃない――――
 あの女のために、あの美女びじょと暮らすために、ここまでするんだぁ~
情熱的なんだね啓吾。


< 13 / 67 >

この作品をシェア

pagetop