隣の年下くんがダンジョンの同居人につき、リアルでも溺愛始まりました
 峯岸さんとはお見合いの席で一度会っただけの人だ。あのあと仲人の奥様から連絡をいただき峯岸さんからお断りのメッセージが来た。
 ちゃんとキャンセルボタンを押せたようで何よりである。

 その後は存在すら忘れていたのだが。こんなところで再登場とは縁があるのかないのか……。

「お元気そうで何よりです」

「峯岸さんも……」

「実は、その後、どうしているのか気になってたんです。その……」

 と言葉を濁した。ああ、そうか。

「父に何か言われましたか?」
 
 そう尋ねた途端に目が大きく見開かれた。当たりだ。

「実は……、燕さんのお父様から連絡をいただきまして。
 もう少し燕さんのことを知ってから返事をして欲しいと」

 なるほど、父はいまだに彼を諦めきれないようだ。
 職場での立場もあることだろう。
 一度お見合いの席に座らせられた時点で御の字なのに、いい加減諦めてあげてほしい。
 
 「それで、今夜でも食事とかいかがですか」

 この必死な感じ、相当父からの圧が強そうだ。
 勇者よ、やばい輩に見初められてしまったのですね。

* * *


「烈火ちゃん、今日はイン遅くない?」と、源さんにV Cで指摘された。

 トラック運転手の源さんは、今は高速を運転中らしく、V Cだけつけてペテルギウスのメンバーとおしゃべりをしている。みんなが和気藹々とお喋りに熱中している間、私はインしたばかりなので、今日のクエストを終わらせるべく、モンスターエリアをせっせと徘徊していた。

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