気まぐれ王子と召使い
「あっつぅ……世那まだ来ないのかな…」
6月の下旬にもなると流石に夏の暑さが顔を出してくる。
炎天下の中で約束の時間から30分も待たされるのはいくら世那相手とは言え辛いものがある。
「相変わらず冴えねー立ち姿だな」
汗をダラダラと流しながら日陰で待っていると、明るい声色と共に首筋にヒンヤリとした衝撃が走った。
「つっめたっ!!ちょ、ちょっと!心臓止まっちゃうよ!!」
「こんなんで止まる方がわりーだろ。ほら、やるよ」
そう言って世那はよく冷えたコーラの缶を私に投げつけた。
「ど、どうも……」
「しっかしさぁ、海なんてお前しばらく行ってねーだろ?何年ぶりだよ」
「え?う〜ん……5年ぶりとかかなぁ…そういう世那は毎年行ってるの?」
「当たり前だろ、俺はお前みたいに根暗じゃないし」
ヘラりと笑う世那に言い返せないのが悔しい。
なんともモヤモヤした気分のまま、私達は海辺へと歩を進めた。


