気まぐれ王子と召使い
そう言って、世那は目をゆっくりと閉じていった。
(好き放題言って寝たなぁ)
料理は大体食べ終わってるとは言え、テーブルの上ですぅすぅ寝るのは行儀がよくないと思う。
食べた後の食器や世那が飲んだ酒の空き缶を片付ける。
「世那さん寝るならベッドで寝てくださいよ」
「……うるせー」
「あと、私もそろそろ帰るからね」
ソファにだらしなく横たわる世那にどうしたものかと考える。
頬を紅くして悩ましげに伏せられた瞳は、なぜだかあまり直視してはいけないように感じられた。
「……ここで寝たら風邪引くよ?あと、歯磨きも忘れないでね」
「母親ヅラすんな、馬鹿女……」
「はいはい、ほら、移動しますよ」
世那の手を取りなんとかベッドの方に引っ張ろうと試みる。
だが、力が入っていない人間の身体というのは存外重いのか、思うように動かない。
「おおお重い!世那!動いてー!」
「なぁんだよもう……鬱陶しい……自分でベッド行くから放っておけよ」
人がせっかく親切に運んであげようとしたと言うのに、世那は私を見ると溜息をつきながら頭を押さえた。
「分かったよ……ベッドの布団敷いてくるから、それしたら帰るね」
「おー……」
なにが私の方が俺より子供、だ。
世那はただ身体が大きくなった子供そのものじゃないか。
(まぁ、そこが良い所でもあるんだけどね)
昔から変わらないそんな所が、私は世那の可愛い部分でもあると思ってる。