気まぐれ王子と召使い
布団を直そうと世那の寝室に行くと、案の定ベッドは乱れていた。
元々寝相は悪かったし、世那も几帳面な性格じゃないからわざわざシーツや布団を直したりはしないんだろう。
「ゴミも落ちたまんまだし…」
正方形の袋の切れ端のような物が近くに落ちていて、相変わらず片付けが苦手なんだなぁと苦笑する。
ふと、ベッドに付属している小さな引き出しに目が惹かれた。
なんでそこに目が止まったのかは分からない。
ただ、不自然に空いていて、中の物を片付けてあげようなんて、自己満なありがた迷惑な事を考えていたからなんだと思う。
引き出しを戻そうと、取手を掴んだ瞬間、中身をチラリと確認した。
中には開封済みの小さな長方形の黒い箱があり、箱の中には正方形の個包装の見たことがない"なにか"があった。
なにこれ。
先程拾ったゴミは間違いなくこの個包装の切れ端だと思う。
だけど、これがなんのゴミかは分からない。
いや、分からないなんて事は無い。
見たことはない、けど、これが何かは私は分かるはずだ。
(でも、違うかもしれない、全く関係のない物かも、)
パタン、と引き出しが閉じる音が聞こえた。