気まぐれ王子と召使い
「いや、暴力事件って程じゃないけど……昨日甲斐君が言ってた桜木先輩の新しい恋人?と揉めちゃって」
「早崎と…?う〜ん…いくらあの世那と言えど、まさか殴るまでいくなんてなぁ…」
「でも最初に殴ってきたのはあっちだよ!桜木先輩の新しい恋人だかなんだか知らないけど、ちょっと暴力的すぎるよ」
昨日の世那は言葉遣いは悪かったにしろ、殴られるまでの事をしたとは思えない。
そもそも桜木先輩が世那を殴るのはまだ分かるにしても、なんで直接被害を受けてない早崎が世那を殴るんだ。
私の言葉に甲斐君は納得したように頷くと、悲しそうに頭を抱え始めた。
「あ〜、世那ぁ……俺が居れば早崎を止めてやれたのに…」
「甲斐君は他のクラスなんだからしょうがないよ…早崎って奴も停学になっちゃったみたいだよ」
「大喧嘩してたって噂だったからなぁ…ま、でも世那が最初に手を出してないって聞けて良かったよ!」
そう言うと、甲斐君はすぐに笑顔を見せた。
話してて思うけど、甲斐君って本当世那の事好きだな〜って感じるよ。
「じゃ、夕香里ちゃん!また続報あったら来るから!」
「あ、うん。またね」
ブンブンと元気よく手を振る甲斐君に手を振り返すと、また静かな空間になった事に寂しさを覚えた。