気まぐれ王子と召使い
マンションのエントランスで世那の部屋番号を入力する。
今更だけど、改めて大きなマンションに住んでるなぁって思うよ。
『……は〜い…』
いかにも気だるそうな声が聞こえてきて、思わず笑ってしまう。
「私ですよ、世那さん。ちょっと渡したい物があって来たんだけど、大丈夫?」
『……あ、なにお前?なーんだ、ビビらせやがって。あの女が帰ってきたのかと思ったじゃん』
私だと分かったからか、世那は少し弾んだ声で話し始めた。
しばらくすると、世那が解錠してくれたのかエントランスのドアがゆっくりと開いた。
大人しくドアの方に向かい、エレベーターで11階へと向かう。
昔からよく遊びに来てたから、もう慣れたものだ。
世那の部屋に付きインターホンを鳴らすと、すぐにガチャリと玄関の扉が開いた。
「あ、世那さんどうも」
「おー」
世那はヘラりと緩い笑みを浮かべて私を出迎えた。
学校で会う時と違う点と言えば、部屋着姿のラフな格好なのと、整った顔に不自然に出来ている痣ぐらいだろうか。