気まぐれ王子と召使い
噂好き
世那と桜木先輩の見たくもない一面を見てから数日が経った。
つまり、もう少しで世那の停学処分が明ける事になる。
何事も起こらなきゃいいけど…
「……ん?」
昼休み一人で教室に居てもなぁと思い一人廊下を歩いていたら、何やら見知った顔の二人が親しげに会話をしている。
(真堂と琥珀君だ…珍しい組み合わせだなぁ)
廊下の壁に寄りかかりながら、真堂が身振り手振りを交えながら琥珀君と談笑しているようだった。
琥珀君は相変わらずボーッとしてそうだけど、真堂の話にコクコクと相槌を打ちながら興味深そうに話を聞いている。
物陰に隠れながら様子を見てると、真堂が手をあげて笑顔で琥珀君に何かを告げている。
琥珀君も手をあげて控えめに揺らしている所を見るに、一通り会話を終えたようだった。
「なに見てんだよ?山吹」
「うわっ!!」
私の視線に気がついていたのか、真堂は真っ直ぐ私の方に歩いてきて不思議そうに声をかけてきた。