気まぐれ王子と召使い
薄らとしていた悪い予感が的中した。
昼休みに世那と二人で他愛のない話をしながら雑談をしていたら、教室のドアから再び甲斐君が顔を出していた。
だけど、いつもと様子が違ってどこか気まずそうだ。
「なに見てんだよ派手頭」
中々入ってこない甲斐君に痺れを切らしたのか、世那は怪訝そうに甲斐君を呼ぶ。
すると、甲斐君の後ろからひょこっと楽しそうな笑みを浮かべた人物が現れた。
「よっ、山吹」
「し、真堂……」
口角がヒクヒクと引き攣るのが分かる。
来るとは思ってたけど、まさか登校初日に来るとは…
世那は目を細めて真堂を見つめると、「お前誰?」と不快そうに言い放った。
「あれ。涼井によろしく言っといてって言ったのに、ちゃんと伝えなかったのか?」
「冗談だと思ってたから…」
「……おい、馬鹿頭。なんなんだよこいつは」
「ごめん世那!真堂がどうしても世那と話したいっつーから…」
気まずそうに頬をかきながら苦笑いする甲斐君に真堂は「そういうこと」とニッコリ笑った。