気まぐれ王子と召使い
旧校舎探検
『俺に関わった事を後悔させてやる』
(はぁ……最近の世那なんか怖いなぁ…)
昨日の世那の発言を思い出し、授業中に思わず身震いする。
肝心の世那は登校はして来ているものの、朝顔を合わせただけでその後はどこかに行ってしまった。
おかげで北川先生はカンカンに怒っていたが、今はそれどころでは無い。
(真堂は大丈夫かな〜…酷い目に合わないと良いけど……)
真堂も世那の性格を知らないとは言え、あんなに煽るような態度を取ったらそりゃ誰でも不快な気分になっちゃうよ。
それでも真堂が心配になるのは1年の時に仲良くしてくれたって言う恩があるからなんだけど、どうしたものか。
私が真堂を庇うような事を言ったら逆効果だろうけど、かと言ってこのまま黙ってて真堂がとんでもない目に合う事は望んでない。
うだうだとどうしようもない事を考えていると、あっという間に授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。
結局4時間目が終わっても世那は戻って来なかった訳だけど本当どこで何してるんだか…
昼休みになり、いつものように自販機に飲み物を買いに行こうと教室から出ると、バッタリと顔を見たくない人物と顔を合わせてしまった。
「あ……君はあの時の……」
「…………どうも……」
驚いたように目を丸くさせ、気まずそうに視線を落としているのは早崎だ。
真堂が明日辺り来るって言っていたのは本当だったらしい。