気まぐれ王子と召使い
でも、私が"そうだね"って言うと、きっと世那はまた悲しそうな顔をする。
「……隠し事なんてないよ」
「嘘つけ、俺に話してない事だっていっぱいある癖に」
「そりゃ全部が全部言う訳じゃないけど……でも大事な事は言ってきてるよ」
これも全て本心から言ってるのに、世那はずっと納得のいかない顔をしている。
どうして私のことをそんなに信用出来ないんだろう。
「ここまで言っても信用出来ない?」
「当たり前だろ」
「私は本当に大事なことは伝えてきたつもりなんだけどなぁ…」
「……うそつけ」
「あー、さっきからイヤイヤ期ですか世那さん……言っとくけど、それを可愛いと思えるのは私ぐらいなもんですよ…」
そう言って、世那の頬をツンツンとつつくと世那は鬱陶しそうに叩き落とした。
「あー!もー、なんだ、鬱陶しい!」
「な、なにも叩き落とさなくても…」
「良いか召使い!次俺をガキ扱いしたら殺す!分かったな!」
ビシッと私を指差す世那。
ようやく本調子になってきたみたいでホッとする。
やっぱりナイーブな世那は似合わないよ。
世那と軽口を叩き合いながら、隠し事をされているという事実がいまだしこりを残したままだった。