愛を知らない御曹司は専属メイドにご執心
応接室へと通された私は向かい側に座った如月さんに今の自分の正直な気持ちをそのまま口にした。
お店のこと、本人は認めないけれど、ブロガーが巴さんで、彼のお陰でお店の経営が上手くいき出したこと、そして――
「業務を放棄して辞めてしまいましたが、もう一度、上澤家で……巴様の身の回りのお世話をさせていただきたいのです。助けてもらった、恩返しがしたいので……」
もう一度この家でメイドとして働きたいということを。
話し終えたあと、胸が苦しくなるほど緊張した。
一度辞めた身だから断られても仕方がない、そう思っていたから。
私の話を聞いた如月さんは少しだけ微笑んで、「分かりました、少々お待ちください」とだけ言うと、そのまま背を向けて部屋を出て行ってしまう。
それから、どれくらい経っただろう。
「お待たせ致しました」
戻ってきた如月さんは、いつも通り落ち着いた様子で、
「巴様にお伝えしました」
そう話を切り出した。
「……それで、返答は?」
一瞬の沈黙が、やけに長く感じられる。
やっぱり断られてしまったのだろうかと肩を落としかけていると、
「『お前が必要だと思うなら、採用すればいい』――だそうです。私としては人手がある方が有り難いので即日採用ということで。これから荷物を持ってもう一度来てくださいますか?」
巴さんは如月さんに全てを一任したようで、再び採用されることになったのだ。
「本当ですか!? ありがとうございます! これから帰って荷物を纏めて来ます!」
採用されたと分かった瞬間、胸の奥がじんわりと温かくなる。
嬉しさと安堵で感謝の言葉しか出て来なかった。
それから急いで自宅へ戻り、荷物を纏めてからお店に寄った私は両親に今日から上澤家で働けることになったと伝えると、「頑張ってきなさい、巴様によろしく伝えるように」と言われて見送られた。
そして、上澤家に来ると、以前の部屋へ通される。
以前着ていたメイド服に袖を通して準備を整え、屋敷の廊下を歩いて如月さんの居る執務室へ。
「来栖さん、業務内容ですが、貴方は以前同様巴様専属ですので、これからすぐに巴様のお部屋へ行って本人から直接、指示を仰いでください。いいですね?」
如月さんから巴さんに直接指示を貰うように言われたので、彼の部屋へ向かうことに。
向かうさなか、私の心は落ち着かず、部屋に近づくたびにドキドキと鼓動が音を立てていく。
そして、部屋の前に辿り着き、ドアをノックする。
「――入れ」
変わらない声に、どこか落ち着きを取り戻した自分がいた。
「失礼致します」
そう声を掛けて部屋のドアを開けながら、私は思う。
巴さんは、どのような反応を示すのかと。
お店のこと、本人は認めないけれど、ブロガーが巴さんで、彼のお陰でお店の経営が上手くいき出したこと、そして――
「業務を放棄して辞めてしまいましたが、もう一度、上澤家で……巴様の身の回りのお世話をさせていただきたいのです。助けてもらった、恩返しがしたいので……」
もう一度この家でメイドとして働きたいということを。
話し終えたあと、胸が苦しくなるほど緊張した。
一度辞めた身だから断られても仕方がない、そう思っていたから。
私の話を聞いた如月さんは少しだけ微笑んで、「分かりました、少々お待ちください」とだけ言うと、そのまま背を向けて部屋を出て行ってしまう。
それから、どれくらい経っただろう。
「お待たせ致しました」
戻ってきた如月さんは、いつも通り落ち着いた様子で、
「巴様にお伝えしました」
そう話を切り出した。
「……それで、返答は?」
一瞬の沈黙が、やけに長く感じられる。
やっぱり断られてしまったのだろうかと肩を落としかけていると、
「『お前が必要だと思うなら、採用すればいい』――だそうです。私としては人手がある方が有り難いので即日採用ということで。これから荷物を持ってもう一度来てくださいますか?」
巴さんは如月さんに全てを一任したようで、再び採用されることになったのだ。
「本当ですか!? ありがとうございます! これから帰って荷物を纏めて来ます!」
採用されたと分かった瞬間、胸の奥がじんわりと温かくなる。
嬉しさと安堵で感謝の言葉しか出て来なかった。
それから急いで自宅へ戻り、荷物を纏めてからお店に寄った私は両親に今日から上澤家で働けることになったと伝えると、「頑張ってきなさい、巴様によろしく伝えるように」と言われて見送られた。
そして、上澤家に来ると、以前の部屋へ通される。
以前着ていたメイド服に袖を通して準備を整え、屋敷の廊下を歩いて如月さんの居る執務室へ。
「来栖さん、業務内容ですが、貴方は以前同様巴様専属ですので、これからすぐに巴様のお部屋へ行って本人から直接、指示を仰いでください。いいですね?」
如月さんから巴さんに直接指示を貰うように言われたので、彼の部屋へ向かうことに。
向かうさなか、私の心は落ち着かず、部屋に近づくたびにドキドキと鼓動が音を立てていく。
そして、部屋の前に辿り着き、ドアをノックする。
「――入れ」
変わらない声に、どこか落ち着きを取り戻した自分がいた。
「失礼致します」
そう声を掛けて部屋のドアを開けながら、私は思う。
巴さんは、どのような反応を示すのかと。