運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「何って……麻子、お前には晴香を探させていただろう。晴香は海外に行っていると言ったじゃないか。駆け落ちしたとも言っていた。俺が連れ戻せと命じたとき、日本にいないとお前は答えたはずだ!」

 やはり、仕事に支障が出はじめたことで、父は私を探していたのだろう。けれど、麻子さんと琴音はどうしてもそれを阻止したかったに違いない。笑顔を貼り付けてはいても、琴音の目は少しも笑っておらず、そのことに私ははっきりと気づいていた。
 先ほど、私が優希くんと再会したと口にしたばかりだ。琴音にとって、心穏やかでいられるはずもない。

「ご無沙汰してますね、琴音さん」
 琴音が私たちを引き離した元凶だと優希くんも知っている。けれど、それでも――いや、それだからこそなのか――彼はこれでもかというほど柔らかな笑みを浮かべ、琴音に声をかけた。
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