運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
「そうですとも! その娘の母親は最低な女で、身持ちだって悪かった。その血を引いているんですから!」
 麻子さんの矛先は、もはや私ではなく、ずっと母に向けられているのだと悟る。父を奪われたと思い込み、その憎しみを娘である私にぶつけてきただけなのだ。

 会場はざわめきに包まれる。けれども、会長もお父様も、ただ事の成り行きを見守っているばかりで、誰も口を挟もうとはしない。こんな大切な場で私のことで迷惑をかけてしまっていることに胸が痛む。
 そのときだった。

「何か勘違いをされていませんか?」
 優希くんが、見惚れるほど美しい笑みを浮かべながら声を放った。思わず、周囲の人々もその表情に見とれて、場の空気が一瞬にして変わったのを感じた。

「あなたたちを今日呼んだのは、晴香に謝罪をしてもらうためですよ」
 ――謝罪? 私は聞かされていなかった言葉に息を呑み、思わず優希くんを見上げた。
「え……?」
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