運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 背後から問いかけるように届いた声に、私は思わず足を止めゆっくりと振り返った。
 まっすぐに私の方へと歩いてくる彼の姿を見た瞬間、胸の奥がじんわりと熱を帯びていくのを感じる。

 覚えていてくれた。

 それだけじゃない。この場所で、私の名前を、あの優しい声で呼んでくれた――。
 そのことが、どうしようもなく嬉しかった。

「久しぶりです。優……朝倉さん」
 少しだけ言い淀んだあと、私はそう声をかけた。

「優希でいい。昔のままで話してくれ。……いや、それより、どうしたんだ? こんなところで」
 その穏やかな声に、私は安堵する気持ちの一方で、彼の問いにどう答えればいいのかがわからない。継母と義妹に日常的に傷つけられ、今日も理不尽な目に遭って帰る場所さえなくなり、気がつけば、足が勝手に――あなたのいる場所を選んでいた――。そんなことを正直に言ったところで、気味悪がられるのが関の山だ。
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