運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 エスコートされるように腰を下ろすと、緊張でこわばっていた肩から小さく息がもれる。なんでも食べられると優希くんが言った通り、和洋折衷の多彩なメニューが揃っており、思わず目を見張ってしまった。

「なんでもうまいよ」
 優希くんはメニューを見ることなく、私に選ばせるように促す。昔、勉強を見てくれているときも、たまに夕飯を一緒に食べることがあったが、それはファミレスばかりだった。
 そこでも、私がメニューを選ぶのを、いつも待ってくれていた記憶がある。でも、今はあのころとは違う。

「いつもは何を召し上がるんですか?」
「うーん、選ぶのも面倒だから、適当におすすめを持ってきてもらう」

 そう言って優希くんは、少し肩をすくめてみせた。自分でもそれが良いことだとは思っていないのだろうが、仕事に追われ、食事にまで気を配る余裕がないのだと察せられる。
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