運命の恋をした御曹司は、永遠にママと娘を愛し続ける
 そんな私の疑問を察したのか、優希くんは缶ビールを手に取り、プルトップを開けて口にした。

「送っていこうと思ったけど、眠ってしまったから連れてきた。俺が日本にいる間に使っている部屋だ」
 そう言われてようやく納得する。きっとホテルのようなサービスを受けつつ、同時に自宅としても使えるようになっているのだろう。海外出張も多い朝倉なら、それくらいの部屋をいくつも保有していても不思議ではない。

 缶のままビールを飲む姿を、私はどこか意外な気持ちで見つめた。そのあと再び部屋を見回す。普通なら寝室とリビングは分かれているはずなのに、ここはすべてがひとつの空間に収められたワンルームの造り。それでも広さは尋常ではなく、選ばれた人しか住むことのできない最高級の空間だと直感させられる。

 そんなことをぼんやり考えていた私だったが、不意に自分のしでかしたことを思い出した。
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