好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

act18. 勝負の行方――second half

 チャンスはごくごく限られている。

 膝に手をつくとその手が汗にぬるついていた。久々に味わう感触。ボールを蹴る感触も久しぶりだ。

 ディフェンスの裏を狙って飛び出す動きも久しぶりだ。

 彼はジョギングを日課にしているが、やはり、ボールをチェイシングする動きとはまるで違う。遣う筋肉が違う。

 膝の調子は、それほど悪くない。彼は、頷き、ディフェンスとの駆け引きに応じた。からだの入れ方が甘い。ボールさえ来れば彼は、自分をマンツーマンで見ているディフェンスに勝てる自信があった。

 問題は、ボールだ。ボールが来なければ得点など取れない。

 自分から仕掛けた以上、勝負には勝ちたかった。例えそれが、ごくごく内輪の、じゃんけんみたいな些細な勝負事であっても。

 彼の視界の隅に女性が映る。後輩と、友人と、観戦している模様。

 誰のために仕掛けた勝負だったろう。
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