好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 ふと、なんのためにこんなことをしているのかと思った。恋愛沙汰など馬鹿馬鹿しいと思い込んでいた。ましてや、同じ会社に務める女性を相手に。いまは勤務外の時間だ。出来ることなら彼女のプライベートになど関わりたくないはずだった。知らず、思考の隅に入ってくる存在。

 考えたくないと思うほどに考えてしまう。

 彼自身のモラルを問うているのか、はたまた単なる恋愛の一種なのか。

(――来る)

 追って、走っていれば必ず千載一遇のクロスがあがってくると信じて、彼は、走っては止まり、止まっては走る動きをひたすらに繰り返した。

 * * *

「あ、あ、ああーっ」竹田の悲鳴めいた声が響く。

 右サイドを崩したサイドバックのボールがあがり、綺麗な弧を描く。そのボールを高くジャンプし蒔田一臣が捕らえる。テレビで見るような、見事なヘディングだった。それはゴールキーパーの伸ばす手を越え、ゴールに吸い込まれていく。1-0。試合開始から十分経過したところだった。
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