好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 失恋の直後に吸う煙草の味。

 そういえば、振られたあとに煙草なんて吸わなかったな。

 それどころじゃなく。

 がらんどうのように、寝ていた。

 寝てばっかで過ごした。

 寝ていてもなにをしていても涙が止まらず。

 なにをするにも集中できず。浮かんでは消える彼氏の面影。

 親友の笑顔。

 最後の仲睦まじい姿。

 慰める相手がいるという羨ましい現実。

 妬ましく思う自分の醜さ加減にも嫌気がさし、それでまた涙が出てくる地獄。

 ぎざぎざに傷んだこころはいまだ癒えていない。

 あれから二人ともに連絡なし。当然だ。でも。いざ、連絡がまったく来ないとなるとそれはそれで寂しいものがある。

 自分で望んで伝えたくせに。

(馬鹿みたい)

 寂しくなって携帯を開いた。着信ゼロ。女々しいと思うけど、待ち受けがまだ彼氏とのツーショットのままだ。これを撮った頃は、こんな未来が待っているだなんて、夢にも思っちゃいなかった。

 結婚するなんていう甘い未来も思い描いていた。

 馬鹿みたいじゃなく、

(……馬鹿としか言いようがないや)
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