好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!
 すかさず、同期の日野と井原にメールを送信する。CCに寺西を入れた。

「あーなんか仕事してるって感じ」

 うっふふと一人小さく笑いながらその日の始業開始時間を迎えた。

 開始早々、一人の男が彼女を訪れた。

「おい。榎原くん」
 彼女は顔をあげた。声の主が蒔田だったので彼女は驚いた。
「な、なんですか」
「根に持つ性格か?」
「はい?」榎原は、蒔田の意図が掴めなかった。
「カタカナで書けと言ったが、印刷した文字までカタカナにする必要は無い。第三事業部エノハラ、だと? ここ。漢字でいい」
「分かりました。直します」
「いや別に強制はしていない」
「そういう言い方する場合って九割九分九厘『して欲しい』場合なんですよ」
「一厘ってこたあるのか」
「蒔田さんがわざわざあたしの席に来てまで言ってくるんですから、今回の場合においては、先ず、ありえません」
「漢字で書いておくと、別部署の人間が見た場合に、覚えて貰える。名前と顔を売るチャンスなんだぞ」
「助言ありがとうございます。痛み入ります」
「まあ。いい」
「これからもご指導ご鞭撻のほどお願いします」
「そこまで言うと慇懃無礼ってやつだな」
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